
クラさんとする会話にも少しついていけるように、お酒の知識を少しずつではあるが蓄えていったのである・・。
クラさんもなんとなく、私が少しずつ変わっていく様子をどこか楽しむように相変わらず嬉しそうに来店していただいた・・。
でも、鹿児島一のバーテンダーになる事がクラさんへの恩返しになると分かっていても、なかなか解決策が見つからない・・。
カクテルの大会で優勝を目指すには、バーテンダー協会に在籍して大会出場を果たさなければならないし・・・。
当時の私は、バーテンダー協会はどこか堅苦しくて、抵抗を持っていた。
鹿児島一お客さんを呼ぶバーテンダーを目指しても評価が曖昧で、お客さんが評価するものだあって、実質の功績はどこか曖昧で、なんとも評価が付けがたい・・。
ならば、お酒やカクテルの知識などなら、とりあえず出来るのではないかと、お酒の書物を買っては勉強を続けた・・。

そんなある日の事である。
毎週火曜日の私の休日が明け、お店の営業が始まると、ある一人の女性が入ってきた・・。
その女性は、私が仲良くさせてもらっている、幼馴染が経営するスナックのスタッフだった・・。
その女性はいつものホステスの装いとは違って、黒の礼服をまとって首にはパールのネックレスを飾っていた。
ちょうどホステスさんの出勤時間ではあったが、出勤前の1杯を飲みにきた様子ではない。
彼女は、私の顔を見るとホット下様子で席に着いた。
彼女はジントニックを頼み、何気ない会話を始めしばらく経った頃。
「昨日は休みだったんだね?」
と私に尋ねてきた。
「ごめん、昨日は休みだったよ、もしかして昨日来てくれたの?」
「そう昨日、クラさんと一緒にココに来たんだよ。」
彼女はたまにクラさんに連れられ、よくここに来ているお客さんでもあった・・・。
「でもクラさん、本当に残念だったね??」
「っえ?何が??」
「うそっ?? 新町さんあんなに仲良かったのに知らないの??」
「っえ?クラさんに何かあったの??」
「私、昨日の夜クラさんとココに来たんだけど、新町さん休みだったでしょ?」
「うん」
「ここでクラさんと一緒に飲んで、帰ったんだけど、私と別れた後、家で首を吊って自殺したんだよ。」
もう、ショックのあまり私の頭は真っ白になった・・。
彼女は、クラさんのお通夜の帰りで、どうしても私と会話がしたくてここへ、寄ったのだという。
しばらく、クラさんに献杯をを捧げながら、クラさんの事を聞いたが、頭が真っ白になったせいもあって、あまり深くは憶えていない・・・。
確か、こんな内容だったと思う。
クラさんがウォーターメロンを経営している時は、森本ビルビルにあった。
そのビルはクラさんの親のもちビルであったそれをクラさんが譲り受け経営していたそうだ。
クラさんは独り身で、そのビルの3階に住んでいた、4階にはお母さんお父さんの仏壇が飾ってあったと思う。
そんな生活に、県外に住むお兄さんが鹿児島に帰ってきて、その森本ビルはお兄さん家族に取られて、お店をたたんだらしい・・。
その後は、クラさんは家を追い出され、独りで暮して釣り行ってすごしていたらしい・・・。
そんな話を彼女から聞かされたと思う。
クラさんは自殺だったこともあり、お通夜しか家族以外いけないときいて、営業中に私はクラさんのお通夜へと向かった。

お通夜へと向かう途中、走馬灯のようにクラさんの事が思い出された。
クラさんとの思い出はどれも温かく素晴らしい思い出だ。
でも、今こうしてクラさんに会ってみないと、本当に信じられなかった。
いつも私に接している時のクラさんはとても前向きだったし、自ら命を絶つなんて考える事が出来なかったからだ・・。
私はお通夜の会場につくと、お兄さん家族らしき方に挨拶をかわしてクラさんの方へと向かった。
私の心境とは裏腹に、何事もなかったように横たわるクラさんの姿があった。
私は、今までのことをクラさんに深く感謝を告げ、あの時の二人だけの約束「鹿児島で一番のバーテンダーになる!!」事を固く固く誓った・・・。
続く・・・。
今日もすべてに感謝!!
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Ji Pasko (木曜日, 02 2月 2017 00:04)
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Yun Kennerson (木曜日, 02 2月 2017 09:15)
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Elly Galicia (金曜日, 03 2月 2017 10:09)
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