人はなぜ、酒を飲むのか??⑯~059

 

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人はなぜ、酒を飲むのか??⑬~056

 

 

人はなぜ、酒を飲むのか??⑭~057

人はなぜ、酒を飲むのか??⑮~058

 

 

 

ある日、いつものように親身になって私に教えてくれるクラさんに、やはり何か返してあげたいという気持ちがこみ上げてきた。

 

 

そして思わず、クラさんに言った・・。

 

そして思わず私の口から出た言葉は・・・。

 

 

「クラさん、俺、何でもいいから鹿児島一のバーテンダーになります!!」

 

 

だった・・・。

 

 

私は、自分で何てこと言ってしまったんだろうと思ったが、そんなことより、その言葉を言わなければ、今の自分の気持ちはそれ以上に、収まりがつかなかったのである・・・。

 

 

 

もう何かをクラさんに返したいが、クラさんに私が十分に何かを返す事は当時の私としては、これが唯一の最大に返せる言葉だったと思う・・・。

 

 

 

 

私がその言葉をクラさんに返した時、クラさんは本当に嬉しそうな笑顔を浮かべ、コクっとうなずくと。

 

「うん、期待してるよ、その日が来るのを楽しみにしているよ。」

 

 

と返してくれた・・。

 

 

「はい!!」

 

 

と私も返した・・。

 

クラさんは本当に嬉しそうだった・・。

 

 

あの時、私がクラさんと出会って一番の笑顔だったと思う。

 

 

クラさんは本当に私たちに、母親が子供に見返りを求めない愛情を注ぐような「無私の愛」で接してくれていた・・・。

 

 

 

私はクラさんがお店を後にした後、さっきの私がクラさんに言ってしまった言葉を思い出して本当に後悔した・・。

 

[しまったなんて事を、クラさんと約束してしまったんだろう・・。]

 

 

今更ながら、自分の口から出た言葉が、とてつもなく大きい事であることに気付いてきた・・・。

 

 

どんどんとその言った言葉が、空気の入っていく風船がシュッシュッと大きく膨らむような感じだ・・。

 

 

それから、私は「鹿児島一のバーテンダーとはなんぞや」という言葉を摸索し始めた・・・。

 

 

「鹿児島一のバーテンダー」・・。

 

 

今の私が出来る一番とはなんだろう??

 

[お客さんを一番お店に呼べる事なのか??]

 

[一度バーテンダー協会みたいな組織に入って、大会を目指して一番を狙うことなのか?]

 

当時の私は、蝶ネクタイをしてかしこまる自分が嫌だった。

 

それはなんとかして避けたい・・・。

 

 

 

 

などと考えながら摸索する旅が始まったのだ・・。

とりあえず、本屋さんから数冊ほどのカクテルやお酒、有名バーテンダーがいるバーの書物買ってきて、新たな勉強を再開した・・・。

 

 

それは、どうして「鹿児島一のバーテンダー」になれるかの摸索を、少しでも答えを探すことと少しでも早くからレベルをとりあえずは向上させなければと思ったからである・・・。

 

 

クラさんとする会話にも少しついていけるように、お酒の知識を少しずつではあるが蓄えていったのである・・。

 

 

クラさんもなんとなく、私が少しずつ変わっていく様子をどこか楽しむように相変わらず嬉しそうに来店していただいた・・。

 

 

続く・・・。

 

今日もすべてに感謝!!